2010年 08月 04日
象形文字 |
「壷中日月」 浜田翠苑書
物の形をかたどった象形文字には、誰もが分かる、楽しい形が沢山あります。
「壷中日月」とは、中国の史書・「後漢書」にある「壷中日月長」の言葉で、「壷の中の別天地(仙境)で、時間に追われることなく、悠々と人生を送る。」という意味です。
文字を囲む四角い枠は「亞(亜・あ)」の字で、四隅の角をおとした玄室(棺を納める室)の形をあらわしています。
玄室を亞字形に作るのは、殷王朝の時代に始まったといわれ、玄室のことを亞、また、玄室で喪葬の儀礼を行う職能者のことも指しています。
太い線の象形文字は剛健で、黒塗り桟の舞良戸(まいらど)に、とてもよく似合っています。
象形文字の「中」は、旗竿の形で、甲骨・金文には上下に吹流しの付いた形の物があります。殷の軍では、「中」は軍旗で、吹流しが付く旗を持つのが、中軍の将、すなわち軍の統率者でした。
吹流しが今にも動き出しそうです。
そんな自由な線が、象形文字には多く見られます。 ura
※参考文献 : 「字統」白川静著 「甲骨金文辞典」水上静夫著
by uranokai
| 2010-08-04 23:07
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